紅の豚ポルコが雲の平原で見た飛行機の墓場とは?豚が雲を引いた意味と理由は?
紅の豚の名シーンの一つでもある「雲の平原」での親友とのやり取り。
ポルコがどのような心境で親友に語りかけたのか、作中の伏線や公式の裏設定などを踏まえて考察・予想していきたいと思います!
エンディングまで多くの謎が残されるパターンが多いジブリ作品ですが、紅の豚もいくつかの謎が残されたままエンディングを迎えています。
>>紅の豚|ポルコが豚になった理由!フィオのキスで豚から人間の姿に戻った理由は?
宮崎駿監督も物語の結末を想像で語っており、ジブリ作品は観ている人が想像を膨らませることで色々な展開の結末が用意されている作品ということなんでしょうね笑
「豚が雲を引いた!」
作中でこのセリフを聞いた方は「どういう意味?」と疑問に思いませんでしたか?
謎のセリフの意味や隠された伏線についても詳しく解説していきます。
それでは、紅の豚ポルコが雲の平原で見た飛行機の墓場とは?豚が雲を引いた意味と理由は?についてご紹介していきますね!
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— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) October 15, 2021
Contents
紅の豚|ポルコが雲の平原で見た飛行機の墓場とは?
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因縁の相手カーチスと再戦することになった夜、中々寝付けないフィオに聞かせた戦争の話です。
ポルコは寂しそうにマルコ・パゴットだった頃、第一次世界大戦で見た光景を語りました。
紅の豚|ポルコが雲の平原で見たもの
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卓越した操縦センスでアドリア海のエースパイロットと呼ばれる様になったポルコは、第一次世界大戦の末期にアドリア海の戦闘に参加しました。
当時、イタリア空軍の戦闘艇部隊で大尉を務めるほどの有望株だったが、戦闘は苛烈さを増していき死線を彷徨いましたね。
味方の飛空艇が次々と撃墜されていき、ポルコは腕利きの飛空艇3機に追われることになりますが、何とか逃げ切ることに成功します。
自分だけが生き残ってしまったと思った時、上空を見上げると一直線の雲の平原が広がっていました。
幼馴染のジーナの夫であり親友のベルリーニの飛空艇が、上空に上昇していくのを捉えたポルコは必死で叫びました。
「ベルリーニ!無事だったのか!」
撃墜していたと思っていた親友の飛空艇を見て喜ぶポルコでしたが、その喜びは一瞬で絶望に変わります。
「ベルリーニ!行くな!ジーナをどうするんだ!僕が代わりに行く!!」
ジーナとベルリーニは2日前に結婚したばかりでした。
密かにジーナを想っていたポルコは自分が犠牲になるから戻ってこいと、自己犠牲の精神で親友に語りかけていましたね。
その声が届くことはなく、親友のベルリーニは雲の平原へと消えていきました。
ポルコは悟りました、雲の平原が飛空艇の墓場なのだと。
紅の豚|飛空艇の墓場へ行けなかった理由
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ポルコは親友が雲の草原に向かっていく時に、自分も行けなかったことをずっと後悔していました。
親友の代わりになるという自己犠牲の覚悟を持ち合わせていながら、実際に何も出来なかった自分に罪悪感を感じています。
幼馴染のジーナを密かに想っていたポルコは、自分まで死んだらジーナが悲しむと思ったでしょう。
最愛の夫を失ったジーナの側にいてやれるのは自分しかいない、そう思ったのではないでしょうか?
ポルコのジーナに対する愛情表現は自己犠牲なので、「自分が犠牲になれば良かった」と想いながら側に居続けるのです。
顔を合わせるのも辛いでしょう・・。
戦闘艇部隊で自分だけが生き残ってしまった罪悪感も重なり、自らを豚に変えることによって心を閉ざしていきます。
ポルコは作中で「(戦争で)死んだやつはいいやつさ」と言っていましたね。
戦争で死んでも構わないという決意というよりは、未練を絶って戦争に臨んでいるポルコは死んでいった仲間こそ生き残るべきだったと考えています。
生き残るべき仲間が死んでしまい、死ぬ覚悟を持った自分が生き残るという結果を受け止められないポルコでした。
紅の豚|飛空艇の墓場には元ネタがある?
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アドリア海の戦いで死線を越え戦闘飛空艇部隊で自分だけが生き残り途方に暮れていた時、雲の平原に飛空艇が運ばれていく様子を見ていることしかできなかったポルコ。
元ネタはロアルド・ダール短編の「彼らは年をとらない」という作品です。
「宮崎駿全書」という書籍から一部内容をご紹介しますね!
第二次世界大戦の対独シリア作戦中の英国空軍で、あるパイロットがハリケーン機で爆撃に出たまま二日間も消息を絶つ。
突然戻ってきたパイロットは一時記憶を喪失していたが、戦友の死を眼前にして突如記憶を回復し、不可解な体験談を語る。
偵察中に白い雲海に突入してしまい、高度を果てしなく下げ続けると、一面が青い世界だった。
その上には無数の敵・味方の戦闘機が、列をなし飛んでいた。
その列に吸い寄せられ、共に飛び続けると不安も焦燥も失せて行った。
ところが、途中で列とはぐれ再び雲海に落ち、気づくと愛機は勝手に飛んでいたという。
そのパイロットは、その後再び出撃して撃墜され、絶命の際に「おれは運がいい」と言い遺した……という怪談めいた話である。
ロアルド・ダール短編「彼らは年をとらない」では、主人公が戦闘機の列に吸い寄せられて仲間たちと一緒に飛び死ぬことで安堵しています。
しかしポルコは「飛空艇の墓場」を見ることはできましたが、ただ見ていることしかできませんでした。
「お前はずっとそうして一人で飛んでいろって言われた気がしたね。それに、あそこは地獄かもしれねぇ。」
作中でポルコが言っていた言葉ですが、不器用な仲間達から「お前はまだこっちに来るな」と言われていたのではないかと想像ができますね。
紅の豚|ポルコがフィオに語った後悔
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カーチスとの対決の前日に、ポルコはフィオに後悔を語っています。
銃弾を一発一発念入りに確認するポルコは、戦争において自分だけが生き残ってしまった過去を口にしました。
雲の平原にて飛空艇の墓場を見つけ親友が運ばれていくのを、ただ見ていることしかできなかったのです。
フィオは「神様がまだ来るなって言ったのね」と励ましますが、ポルコは責任を感じているようでした。
何度も思い出しては自分が雲の平原へ行けなかったことを後悔していたのでしょう。
誰よりも死ぬ覚悟を持っていても、自分だけが生き残ってしまったことに対して罪悪感は計り知れません。
紅の豚|豚が雲を引いた意味と理由は?
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ポルコVSカーチスの空中戦は、とても迫力があって見所がありましたね。
作中で「豚が雲を引いた!」という描写がありましたが、一体どんな意味や理由があると思いますか?
紅の豚|豚が雲を引いた意味と理由は?
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ポルコの飛空艇の両翼端から雲が発生する現象が確認できましたね!
飛空艇が急旋回する瞬間に翼の周りに生じる空気圧の差によって、空気中の水分が凝結することで雲が発生します。
まるで飛空艇の翼が雲を引いているように見えることから、「豚が雲を引いた」と表現された様ですね!
しかし、飛空艇が雲を引く条件を考えてみるとかなり厳しい条件ですね。
運転技術も必要になりますが、急旋回に耐えられる飛空艇のスペックが必要になってきます。
高速化かつ急旋回の運転となると、飛空艇や自身の体にかかる重力はかなりのものになりまそうですね・・。
因みに、ポルコの飛空艇はフレームが木製でエンジンはV12気筒という車に使われるようなエンジンを使用しています。
雲を引くような運転には耐えられない飛空艇なんですよね笑
そんな飛空艇でも雲を引くことは、相当な飛行技術を持っていないと出来ない芸当です。
紅の豚|飛べない豚はただの豚
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紅の豚で最も有名なセリフの一つだと思われますが、作品を見たことがない人でも聞いたことはあるのではないでしょうか?
よく考えてみると豚は飛べない生き物なので、「飛べない豚はただの豚」って当たり前のことなんですよね笑
ポルコが豚となりその上飛ぶこともやめてしまったら、本当に無価値な存在になってしまうという意味ではないかと思います。
自分がやろうと思えばできることをせずに、ただ見ているだけなんてそれで良いのか?
そう自分に問いかけ、自分ならできるという想いを体現した言葉なんです。
紅の豚|ポルコの飛行技術
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過去にイタリア空軍でエースパイロットを務めたほどの男です。
政府から何度も協力を要請されるほどで、飛行技術で右に出る者はいないとされるほどでしたね。
卓越した飛行技術とセンスを駆使したポルコの操縦は非常に速くトリッキーで、並大抵の空賊では追いつくことすらままなりませんでした。
この飛行技術があるからこそ、雲を引くような芸当ができたのでしょう。
紅の豚|フィオを渡さないという覚悟の証
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フィオを巡るポルコVSカーチスの戦いで、ポルコは自分の気持ちに気付くことになりました。
カーチスとの空中戦では、ポルコが飛空艇で雲を引き観客を驚かせましたね。
ポルコの飛空艇スペックで雲を引くほどの高速かつ急旋回は、機体が壊れてもおかしくありませんし、かなり危険な飛行なんです。
それほどの飛行をしなければいけないほど追い込むカーチスも凄いですね笑
一歩間違えれば命を落としても可笑しくない危険な飛行をしてまで、「絶対にフィオは渡さない」という強い想いが現れていました。
鈍感なポルコが自分のフィオを大切に想う気持ちに気付いた瞬間でしたね。
紅の豚|まとめ
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紅の豚ポルコが雲の平原で見た飛行機の墓場とは?豚が雲を引いた意味と理由は?
作中であまり語られない裏話がたくさんあるジブリ作品ですが、色々な想像が膨らみますよね笑
ポルコが飛行機の墓場で思ったことや、フィオに対する気持ちに気付いた描写は感動で涙が止まりませんでした。
紅の豚は今までのジブリ作品と違って、少し年齢層が高めの人にウケる内容になっていました。
しかし宮崎駿監督の創る作品の世界観や言葉一つ一つの深みが、本当にいい味を出していましたね。
紅の豚の魅力はこの記事だけでは伝えきれないので、是非もう一度視聴してみてはいいかでしょうか?
以上、紅の豚ポルコが雲の平原で見た飛行機の墓場とは?豚が雲を引いた意味と理由は?でした!
最後までご覧頂き、ありがとうございます。